痛い痛いと。
わんわんと泣く貴女の心。
そんな傷付いた心に寄り添い、抱き締めるために『僕』は生まれました。
大丈夫、ちゃんと傍にいますよ。
無理に泣き止まなくてもいいんです。
前や上ばかりを見続けようとしなくたっていいんです。
苦しい時は下を向いたって。
それが悪いことだなんて誰が決めることではないのだから。
傷付き落ち込み易い、そんな心の柔らかい貴方が『僕』はとても好ましい。
貴女自身がその柔らかい心を疎んでも…その柔らかさに好意を持つ者がいたこと、それだけはどうか覚えていて欲しい。
どうかどうか。
お願いです。
その柔らかさを、殺さないで下さい。
それは『僕』にとっても大切なものなんですから。
貴女が苦しみ、泣いて、辛く崩れ落ちそうなとき。
必ず『僕』が傍にいます。
目には見えないでしょうけれど、貴方に寄り添い、支えています。
姿を持たない『僕』を貴女が感じることはないでしょうけれど。
それでも。
どうか、気付いて下さい。
『僕』がいること。
大丈夫、いつも『僕』は貴女の傍にいますから。
そう言って『安室 透』は姿を消した。
2017/9/22
2018/5/3改稿