「なまえさん、これで合ってます?」
と問題の答えが書かれたノートを見せる仗助。
「ん、…おお、合ってる合ってる」
答えを確認してからそう言えば、仗助は小さく「よっしゃ」とガッツポーズをした。かわいいなこいつ。
「これでテスト範囲終わりだっけ?」
「はい、これで終わりっす」
ありがとうございます、ほんと助かりました!と笑顔の仗助。なんでもテスト前らしく、仗助に半泣き?で勉強教えてくださいと頼まれたので、ないに等しい薄っぺらい知識をなんとか振り絞って教えていたのだが。
「しっかし呑み込み早いなお前、これなら俺が教えるまでもなかったんじゃねえの」
血筋だろうか、仗助は呑み込みも頭の回転も早いようで、俺の教えたことをすぐに吸収してしまった。いいなあ、俺なんて何回もやらないとできなかったというのに。
「いやーなまえさんの教え方が上手いんすよ、すっげえ分かりやすいっすもん!」
そう言う仗助の笑顔は、毎回思うんだがかわいい。見た目不良だけど。なんというか、邪気のない笑顔というか。とりあえずありがと、とお礼を言って、なんとなく仗助の頭を撫でたくなったのだが。
「………(頭撫でたら髪型崩れちゃうかな)」
せっかくキマってるし、髪型崩れたら仗助に悪いし…。
「…………。」
「………あの、…なまえさん?」
「…ん?」
「そんなに見つめられると…照れるんすけど…」
どうやらガン見していたらしい、顔を赤くして、仗助は目を逸らした。なんだろう、こういう反応をされるとなんだかこっちも照れる。例えて言うなら、女の子を意図せず恥ずかしがらせてしまってこっちも照れるみたいな、そんな感じ。
…って、これじゃ仗助が女の子ポジションじゃないか。普通ここは女の子だろ。なんで俺が男相手に照れるんだ。
「ごめん、仗助の頭撫でたかったんだけど撫でたら髪型崩れちゃうからどこ触ろうかななんて思ってたらガン見してたみたいだ」
「…」
ははは、と軽く笑う俺。そして何かを言いかけてから何を思ったのか黙って顔を更に赤くする仗助。………ん?
「え、ちょっ、仗助?」
仗助の顔が見事に真っ赤である。まるでトマトのようだ。っておいおいちょっと待てさっきまで笑顔で元気だったくせになんでいきなりそんなしおらしくなってるんだ仗助?!俺なんかまずいこと言ったか?!ていうか顔赤くなる要素あったか?!まずい、仗助に釣られて俺の顔まで熱くなってきたぞ。なんなんだこれ、なんだこの変な空気は。なんで男二人向かい合って赤くなってんだ。
「…………」
「…………」
「………なにしてるんだ、二人して」
そのあとしばらくして部屋にやって来た承太郎によって、変な空気はぶち壊されました。ありがとう承太郎。