これの設定



一度でいいから推しに起こされてみたかった。1日の始まりを推しで迎えられるって何それ最高じゃないか?まあ、その推しが3次元ならまだしも2次元にいる存在ならそれは到底不可能な話なのだが。

「?、??、、???」

ところで俺の推しは2次元のキャラクターなので、推しに起こされるという夢は叶うはずがないのだが。説明しよう。目が覚めたら、というか叩き起こされたのだが、目の前になんか、イケメンがいる。しかも俺の推しの、某英雄王に激似の。え、このイケメンに叩き起こされたのか?そうだよね?この空間に俺とこのイケメンしかいないもんね?思わずめちゃくちゃガン見してたらさっき見つめ過ぎだって言われてデコピンされた。地味に痛かったしちなみに声もそっくりだった。
どういうことだと辺りを見渡せば自分の部屋の面影は全くない。どこだここはと一瞬思ったが、気づいてしまった。この部屋、まるで俺が今めちゃくちゃハマっているアプリゲーのマイルームにそっくりである。

「………。」

なんとなく、なんとなく嫌な予感がして、自分の手の甲を見てみた。
…これは、

「(令呪だーーーー!!!!)」

驚きのあまりはあーーーー???!!!と大声を上げそうになったが俺の推し(仮)がいる手前それを必死に我慢して、右手にある見覚えのありすぎる赤い刻印をごしごしと擦ってみた、が、だがしかし消えない。マジックなんかじゃない、ガチのやつだと悟った。
これは、つまり、その、…アレだ。
よく分からない冷や汗がだらだらと噴き出てきた。まさか、そうしたら、…もしかしなくても、この某英雄王に激似の、俺のベッドサイドに腰掛けている奴は、

「ぎ、……ギルガメッシュ、」
「何だ雑種」
「!!??」

震える声でその名前を呼んでみる。と返事が返ってきた。雑種って呼ばれた!!!激似とかじゃなくてこの人ガチのギルガメッシュだ!!
つまりどういうことだ??!俺はギルガメッシュの何?!意味が分からないんですけど??!!!

「……来い」
「え、ちょっと?!」

混乱して何が何だか分からない。意味が分からなすぎてやばい、冷や汗止まらないし変な動悸がしてきた。そんな俺を見たギルガメッシュは顔をしかめて、俺の腕をがしりと掴んで立たせる。どこかに連れて行かれるようだ……ってどこに?!と混乱する頭の隅で、あ、ギルガメッシュって思ったよりもでかいんだとぼんやりそんなことを考えた。
そして腕を引かれて部屋から連れ出された後、混乱している頭に追い打ちをかけたのは、

「おはようさんマスター、随分と遅いお目覚めだな」
「よおマスター。…なんだ、また何かやらかして王様を怒らせたのか?」

俺のことを「マスター」と呼ぶ、ゲームの中で、今まで俺が無課金で手塩にかけて大切に育ててきた鯖たちだった。




20170508