【24】あなたも私も
「ただいま。」
「遊!何かされなかった!?」
「大丈夫だよ。」
大袈裟だなぁって笑うと本当に心配したんだと怒られた。でも、本当に何もなかった。結局何も教えてくれなかったし。
「…それで、どうしたのギンちゃん?」
「遊ちゃんにお願いがあって来てん。」
「お願い?」
「そ。たぶん、ボク少し出かけることになるかもしれへんから」
「出かけるって…どこへ?」
「それは言われへん。いつ戻ってくるかも分からへん。せやから、ボクがおらん間、乱菊の事頼みたいねん。」
なんだかんだギンちゃんは乱ちゃんの事をちゃんと見ているのは知ってた。本人から聞いたとかじゃなくて、見ててわかるから。
でも、こうして直接乱ちゃんの話をするのは本当にもう何十年ぶりで、ギンちゃんの本心に触れた気がした。
真剣な眼差しに、私は何も追求することは出来なかった。どこに行くの?いつ戻ってくるの?乱ちゃんになんて説明すればいいのよ。そんな私を気にもせずに、あなたはまたどこかへ消えるのね。
結局、ギンちゃんは遊ちゃん遊ちゃんって来るけど、一番は乱ちゃんなんじゃない。それは遊ちゃんもやんかって言われるのが目に見えてるから言わないけどさ。
むかし、ギンちゃんに言われたよね。
「遊ちゃんはいつも真子真子やなぁ。」
「コラァ!ギン!隊長って呼ばんかい!」
「ふふふ」
「遊も笑っとる場合ちゃうでぇ…」
そんな懐かしい思い出を今でも忘れていない。
わかったよ、ギンちゃん。乱ちゃんは任せて。あなたの事だからきっと何かあるんでしょ?信じてるから。誰よりも、信じてるよ。
「遊ちゃん、戻ってきたね。」
「京楽隊長、お疲れ様です。旅禍は無事四番隊の救護牢へ収容されました。」
「お疲れ様、ありがとうね。ボクも惣右介くん見てきたよ。」
「…どう、でしたか?」
「…うん。ボクの目から見ても亡くなったのは本物の惣右介くんだと思う。」
「そう…ですか…。」
胸騒ぎはただの考えすぎだったのだろうか…。隊長が確認したなら、間違いないはないはず。でも、誰がそんな事を…?
謎は深まるばかりだ。
―結局、今も昔も心の中にあるのは…
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