【27】面影をいつまでも
―隊長並びに副隊長各位に御報告申し上げます。亟囚・朽木ルキアの処刑の日程について最終変更がありました。
最終的な刑の執行は…現在より29時間後です。
これは最終決定です。以降、日程の変更はありません。以上…―
朽木さんの処刑が早まった。私が副隊長を務める八番隊の隊長は今日もまたどこかに行ってしまっている。仕事をしてもらうために探す時もあるけど、たまにこうして待つのも大切だということをある人に教えてもらった。
「副隊長…。」
「遊さん、今の聞いていましたね。」
「はい。隊長は?」
「いつもの様にどこかへ行ってしまいました。」
「そうですか…。」
「全く、こんな時に…」
「大丈夫ですよ。きっと何かお考えのはずです。」
そう、我が隊の第五席である風雅 遊さんがその人である。
遊さんは優秀な方で五席で留まっている人ではなく、本来であれば私よりも副隊長になるべきお方なのだ。
100年ほど前、彼女が矢胴丸副隊長と肩を並べて三番隊の副隊長を務めていたのを今でも覚えている。
明るく聡明でいつも周りに人がいた。幼い私を暖かく迎え入れ、一緒に読書をする事もあった。
今では昔の彼女の事を知る人は少ない。
「遂に、明日執行されてしまうのですね。」
「そうですね。」
「京楽隊長はこの刑が重すぎるのではないかと何かを疑っているようでした。」
「隊長が…ですか?」
「はい。七緒副隊長は何があっても隊長に従いますか?」
「そう、ですね…。」
そうですか、と外を見つめながら言う遊さんの眼差しは真っ直ぐだった。
「後悔は先に立たず、って言いますから、七緒さんは後悔しない選択をしてください。」
それだけ言うと持ち場につきますねと部屋を出ようとした遊さんを呼び止めた。
「遊さんは後悔しているのですか…?」
「そうですね…」
「それは彼らを助けられなかったからですか?」
「いえ…どうしてダメだと言われても、無理にでもついて行かなかったのかと……」
「……」
結局、私は振り返らず答える遊さんにかける言葉を見つけることが出来ないまま、見送ることしか出来なかった。
―100年前のまま、追い続けている。
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