【32】探していた答えは
強く感じるこの霊圧は日番谷隊長のものだとすぐ分かった。
思わず飛び出した私を呼ぶ卯ノ花隊長の声が聞こえたけど、あんなに強く高ぶった霊圧がすぐに弱くなっていくのを感じて焦らずには居られなかった。
なんだか感覚が研ぎ澄まされていく中で知っている霊圧にさっきよりも嫌な汗が出る。
「…ギン、ちゃん?」
「あれ、遊ちゃん…」
「やはり此処でしたか、藍染隊長」
「!!」
「…いえ、最早"隊長"と呼ぶべきではないのでしょうね。大逆の罪人、藍染惣右介」
「どうも、卯ノ花隊長。…そして、風雅さん。」
何が起きているのか理解が追いつかない。どうして生きてるの。
罪人ってなに?
ギンちゃんここで何してるの?
この状況は何?
カタッ
「落ち着いて、遊」
「!」
時鳥が鞘を鳴らした音とトキの声が聞こえた気がして現実に引き戻された。私が取り乱すといつも後ろから私にだけ聞こえる声でそう言ってくれる。
今はトキはいない。しっかりしないと。
「これは『死体の人形』じゃあ無い」
「!」
「…い…いつの間に…!」
「?」
いつの間にって…何が?
藍染さんは斬魄刀を持っているだけで…
「僕の斬魄刀は『鏡花水月』。有する能力は『完全催眠』だ。」
「…嘘…だって、鏡花水月は流水系の斬魄刀で…霧と水流の乱反射で敵を撹乱して同士討ちさせるって、藍染隊長そう仰ってたじゃないですか…。私達副隊長を集めて…実際に目の前で見せて下さったじゃないですか!」
なるほど…通りで私には斬魄刀にしか見えないわけだ。私は鏡花水月の解放の瞬間など見た事なんてないし…。
…待って。じゃあ、あの人は…
「東仙要は僕の部下だ。」
待って待って待って…
じゃあ、あの事件は…
あの夜の…あの、あの…事件の時は…?
「完全催眠下にありながら僕の死体にわずかでも違和感を感じたことは見事だった、卯ノ花隊長。」
「待って!!」
「風雅さんにもお礼を言わなければいけないね。君に確認をされていたらこの作戦は失敗だった。京楽隊長を信じて確認に来なかった君に本当に感謝しているよ。」
「…!待って!あの日の夜、皆が死んだのは」
「あぁ…僕だよ。僕の力不足でね。でも、彼らは良い実験体だったよ。」
「!藍染っ…!!!!」
「さようなら。君達とはもう会う事もあるまい。」
「待て…」
バンッー!!!
―こんな容易く知れるなんて思わなかった。
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