【33】この世の終わりだとしても



あの時から既に始まっていたの?
今日のこの日につながっていたの?
分かってる。真実を知ったところで彼は彼らは戻ってこない。
じゃあ、なんの為に生きてるの。
彼らを殺した人が分かって、目の前にいて、何も出来なくて…


「遊さん、しっかりしなさい。助けますよ。」
「え…?」
「日番谷隊長と雛森副隊長の救命措置に入ります。あなたも手伝ってください。」
「はい…」
「生きていなければ、何も出来ないのですから。」




戦いは"終わった"。

多くの犠牲を払い、藍染達は消えた。
ギンちゃんも一緒に行ってしまったのだと乱ちゃんから聞いた。この事だったのね。でも、きっと何かあるはず。信じるしかない。私にはギンちゃんを疑うことなんて出来ない。だから、私に乱ちゃんを託したんでしょ?


さっき一角くんのお見舞いに行ったら旅禍の"一護"くんに会ったかと聞かれた。どうやら喜助さんと知り合いの様で、話を聞いてみたいと言ったら行くぞってここまで連れてこられたわけなんだけど…


「よお!一護!」
「おー、一角!…と、えっと、彼女か?」
「違います。」
「いや、遊、否定すんの早すぎだろ!」
「傷の具合はどうですか?」
「この通り元気だ!つーか、井上がほぼほぼ治してくれたから結構平気なんだ。」
「おー、無視かこの野郎。ったく。こいつがお前に聞きたいことがあるみたいでよ、俺は戻んねぇといけねぇから頼むぜ。」
「俺に?」
「あぁ。一護、遊に手出したら色んな奴らが黙ってねぇからな、気をつけろよ。」
「ば、馬鹿野郎!そんなことしねぇよ!」


一角くんが冗談を言えるくらいの仲なら警戒する様な相手ではない事くらいわかる。聞きたいことは聞けよと隊舎に戻る一角くんにありがとうと一言かける。一角くんの優しさに感謝しかない。

「で、俺に聞きたいことって何だ?」
「ぁ、はい…あの…浦原喜助さんと知り合いだと聞きまして…」
「あんたも浦原さんの知り合いか。」
「えぇ、まぁ、昔の顔見知りと言うか…。喜助さんはお元気ですか?」
「え?あーまぁ、元気、だと思う。」
「彼は今何を…」
「それは儂から話そう、遊」
「夜一さん…」


やっと会えた。数日前に一瞬しか会えなかったから、こうしてゆっくりと話がしたかった。
お茶でも飲みに行きましょうと誘えば、遊の奢りだぞと笑う夜一さんは昔のままで、ほっとした。
とりあえず、一護くんにお礼を言えばこっちこそ…と言われ、何かしただろうか?


「井上の治療はあんたがしてくれたって聞いたんだ。ありがとう、遊さん。」


好きな人を救いたい気持ちは一番わかるから…。彼女の姿を見て、つい体が先に動いてしまったのはここだけの話。


―愛の華はどこにでも咲く。
prev next
back