【6】きみはいつまでも



目を覚ましてみれば、遠くであいつの気配を感じた。来よったか。まぁ、副隊長クラスであれば派遣されてもおかしない。
布団から出てリビングへ行けば、全員なんとも言えん顔しとった。


「なんやねん、みんなしてキッショい顔して。」
「真子…」
「…わかっとるわ。」
「遊もこっちに来たみたいだね。」


ローズが一番微妙な顔やな。それぞれあいつに対しての想いがあると思う。今すぐ会いたい気持ちもあると思うけど、この件に巻き込みたない気持ちも考えると、そう易々とは会いに行かれへん。


「じゃ、あたし会ってくるー!」
「なんで白が行くねん!!行くとしたらまず俺やろ!?」
「だって〜、しんずぃ行く気配ないから〜」
「あかん!会うとしたら、まず俺や!」
「えぇー、あたしだって遊に会いたいー!」


駄々をこねる白に拳西がおめぇは少しは空気を読めって怒っとる。拳西、空気を読むなんちゅう言葉知っとんねんな。


「まぁ、いいんじゃねぇか。少しくらい見に行ってもよ。」
「羅武…」
「あんたが行きぃ、真子。」
「遊の事だから、もしかしたら真子の霊圧にすぐ気づくかもしれない。ハッチも一緒に行ってくれるかい?」
「はいデス。」


さぁ行った行ったとハッチと共に外に出された。あいつらなりの気遣いなんやろな…。ため息をひとつだけついてハッチに礼を言う。
ハッチは頷くとすぐに二人の周りに結界を張った。


「これでワタシたちの霊圧は外から探知することは出来ないはずデス。安心して歩いてくだサイ。」
「遊のやつ、探知能力だけは誰よりも長けてたからな…」


遠くに感じる遊の霊圧を辿って行く。
角を曲がったところであいつはそこにおった。


「…!」
「どなたかとご一緒のようデスネ。」
「あぁ…」


長身ですらっとしたイケメン連れて、今どき流行りの服装で練り歩きおって見せつけとんのか。
ショックといえばショックや…。心のどこかではあいつは俺を探しに来たんやとばかり思うとった。
そら100年も経てば恋人も変わるか…


「なんや、遊、随分とイケメンな奴連れとるな。」
「本当だ。遊もやるね。」
「リサ!ローズ!!」
「捨てられたんか、真子。可哀想なやっちゃな。」
「真子、どんまい」
「なんやお前ら!俺をおちょくりに来おったんか!」


心なしかこいつらも知らん奴が隣におる遊の姿に安堵と戸惑いが感じられたんは気のせいやろか。


―変わらずにいるんだと思ってた。
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