【21】手を伸ばしても
「遊殿、大丈夫ですか!?」
「え、ええ、私はなんともありません…。それより、一護くんを…」
「…着いてきィ、ハッチなら治せるやろ。」
まず自分の心配せェって言うたやんけ。なんでこんなガキの心配しとんねん。
…大人気ない嫉妬をしとるんは分かっとる。
一護を抱えて来た道を戻った。ハッチに治療を頼んだものの、破面の霊圧が入り交じった傷を治すんは難しいらしい。
遊が何か考えている時の顔になった。何をする気なんや。そして、遊が斬魄刀を握った時、またあいつが現れた。
「あの技を使うつもりならお止め下さい。」
「トキ…。」
「またお前か…。いきなり現れたらビックリするやろ。」
一護を助けるために、遊が何かするつもりやったらしいが、あのトキとか言うイケメンが止めに入った。なんや、止めに入るほど危険な技なんか?
どうにかしたいと慌て出す遊が昔と変わらへん事に少しだけほっとしとる自分がおった。
「落ち着いて。冷静な判断をお願いします、風雅五席。」
「「「!?!?」」」
待て待て待て待て。
100年前、遊は副隊長やったはずや。ローズが認めた後輩で、あいつが副隊長になった時の事は何億回と夢でも見た…。
「遊が…五席やと…?おい、イケメン。どういう事や?」
「…あなたには関係ない。」
ホンマに腹が立ってしゃあない。
あのイケメンも、突き放そうとした割に遊の事に首を突っ込みたくなる俺にも…。
そうして遊は振り返ること無く穿界門に消えていった。
「なぁ、アンタ。遊はなんで五席なんや」
「おい!リサ!」
「なんや?みんなも気になるやろ?」
「なぜ遊殿の事を気にするのかわからないが、出会った頃から遊殿は八番隊の第五席であった。」
「「「!?」」」
なんで八番隊…?
この100年の間に何があったんや。
今はもう知ることさえ出来へんのやろか…。
―お前に触れられへんトコにおる。
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