【22】昔と違うのは



「只今戻りました。」
「あ〜遊ちゃん、おかえり。トキ君もご苦労様。」
「…独断で行動してしまい、申し訳ございませんでした。」


現世から戻り、隊首室で待っていた隊長に謝罪をすれば、遊ちゃんが無事ならいいんだよと優しく笑ってくれた。

思い出して。私は八番隊の第五席。このお方にご迷惑になるようなことはもうしないと決めたはず。


「何かあったのですか?」
「いやね、ちょっと厄介なことが起っちゃってね…」
「井上織姫が行方不明に…」
「!?」


七緒さんによれば、私が空座町に向かった後、浮竹隊長は織姫ちゃんに護衛の隊員を二名同行させた。
その隊員達によれば、同行中破面の襲撃にあい、気づけば破面も織姫ちゃんもいなかったらしい。


「拉致、もしくは殺害されたものと思われます…」
「…私がついていれば」
「遊ちゃん、そんなこと言わないの。十刃相手だったとしたら遊ちゃんも危なかったんだよ。」
「はい…。」


私は何をしているのだろう。現世では殺されかけ、織姫ちゃんを守ることも出来なかった。
役に立ちたい…。人のために、私も…。


「それでね、遊ちゃん。これから大事な話をするからちょっと聞いてくれるかい。」


これから破面との決戦に向けて準備をする。
おそらく一護くんたちは織姫ちゃんを助けるために虚圏へ行くはず。そちらには朽木隊長・更木隊長・卯ノ花隊長が向かわれる。
その間に空座町を”転界結柱”で尸魂界の一部と入れ替え、現世で戦闘可能な環境にする。そして、藍染が現世に現れるまで護廷十三隊全隊長格は戦闘態勢で待機。


「遊ちゃんはどうしたい?」
「隊長、お言葉ですが、私はこの戦いに遊を参加させたくありません。」
「トキ…」
「きっと無茶なことをするでしょう。…現世でもあの技を使おうとして…」
「トキ君は本当に遊ちゃんが好きなんだねぇ。」
「いや!好きとかそういう事ではなくて!」


私はどうしたい…?私にもやれることがある…?
…きっとここでみんなと一緒に戦わなければ、一生後悔する。堂々とみんなの隣に立っていられなくなる。
私はみんなと一緒にいたい。もう置いて行かれたくない。今度は私も…


「私も一緒に連れて行ってください。」
「遊!!」
「トキ君の気持ちもわかるけど、僕は今遊ちゃんに聞いてるんだ。わかるね?」
「…はい。」
「また置いて行かれるなんて嫌なの。今選べるなら、私はみんなと一緒に戦いたいです!」


―今は選べる幸せがある。
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