【28】今度こそ本当に
「…ん…っ…」
「遊…?大丈夫?」
「…トキ…私…」
「藍染に斬られて、少し気を失ってたんだ。」
そっか…。
みんなは…?今どうなっているの…?
「みんなは大丈夫だよ。遊、傷は大丈夫?」
「あ、うん…このくらい平気だよ。」
「まったく…無茶するなと言ったのに…」
「遊さん…!!!」
駆け寄ってきたイヅル君はいつも白い顔がより白くなるほど慌てている様子で、どうしたのかとたずねた。
「松本さんが…松本さんが…!!」
「乱ちゃんがどうしたの…?」
「治療がまだ終わってないのに…市丸隊長を追いかけて…」
「!?…わかった。ありがとう、イヅル君。…私が行くわ。」
無茶だというイヅル君を無視してトキに彼を任せた。
斬られた傷口が少し痛むけど、このくらい我慢できる。後で治療すればいい。
心配なのは乱ちゃんの方だ。
ギンちゃんは本当に何を考えているのかわからない…。
でも、乱ちゃんのことを大切にしていることだけはわかってる。
「っ!!乱ちゃん!!…白伏ね…。」
「!!はっ…はっ…」
「乱ちゃん!安静にしないと!白伏のせいで「ギンよ…」
ギンちゃんが乱ちゃんに白伏を…?
行かなきゃと私の話を聞こうとしない乱ちゃんにため息が出そうだ…。
「わかった!…けど、私も一緒に行く。」
「遊…」
「立てそう?」
ギンちゃんの霊圧を探って、黒くて重い霊圧のほうに向かって行く。
きっとそこに藍染もいるんだ。
「ギン!!」
「っ!?ギン…ちゃん…!?」
片腕を失くし、瓦礫に横たわるギンちゃんを見つけた乱ちゃんは飛び出して行った。
息が止まりそうだった。乱ちゃんは泣きながらギンちゃんに声をかけ続けていて、そんな彼女をギンちゃんは愛おしそうに見つめてる。
どうして…どうしてなの…?
「遊!!遊!!なんとかして…お願い!!」
腕を元に戻すことは私には出来ない…。後で織姫ちゃんに治してもらえるとしても、どうにか生命維持できるところまでは持ちこたえさせてあげないといけない。
そう思いギンちゃんに手をかざすと、ギンちゃんはもう片方の手で私の手首をつかんだ。
「!!ギンちゃん…?」
ギンちゃんは静かに小さく首を横に振った。
それだけでなんとなくギンちゃんの思いが伝わってきて、私は手をおろした。
"おおきに"
そんな声が聞こえてきた気がして、涙が止まらなかった。
乱ちゃんの泣き声が耳に響いていた。
―遠くにいくつもりなんだね。
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