【33】君の願いを



全員の目が覚めると病室を大きな部屋にまとめてもろうた。怪我は完治していて、あのひよ里ですらピンピンしとる。遊の卍解は相当な力があるんやな。

さっき総隊長サンに呼ばれて、今回の件で護廷十三隊に戻らへんかっちゅー話やった。もちろん全員がすぐ決められるもんやないから、少しだけ時間をもらうことになったんやけど…


「ウチは絶対嫌やで!」
「言うと思うたわ。」
「なんやねんハゲ真子!文句あんのか!?」
「別に何も言うてへんやんけ。」


ひよ里は死神が嫌いや言うて現世に残る。他のみんなも考えた結果、俺とローズ、拳西と白以外は現世に残る事に決めた。


「なーんだ、リサちゃん戻ってこないのかい。寂しいなぁ」
「アホ。」
「京楽さん、どうしたんだ?」
「やぁ、みんな元気そうで何より。実は平子クンに話があるって言う子が居てね、いいかい?」
「…!可愛え子は大歓迎や。」


京楽サンの影には少し遠慮そうに、だけど目には何かを訴えるようなものがあるブロンドの姉ちゃんがおった。
確か…遊が卍解を使おうとしたのを止めとった子やったな。
その子の様子に珍しく散歩でも行くかなんちゅうて気を使って全員出ていった。


「それで、俺になんの話しやろか?」
「あの、遊の…ぇ、その花…」
「あ、これかー?トキが遊からやって持ってきてん。遊も直接持ってくればええものを…」
「トキが…そうですか…」


なんや深刻そうな顔して…なんかあるんか…?


「遊があなたに会いに来ることは無いと思ってください。」
「はあ!?なんでやねん!!」
「…もう無理なんです…」


無理ってなんやねん。
遊の卍解には代価が必要で、遊はそれを払った。だから、そのせいで会いに来れへんって…

まさか、死ん…そんな事あってたまるか!!
なんでや、遊!!

乱菊ちゃんが帰ったことに気づかないほど俺はショックを受けとった。
乱菊ちゃんは遊の思いを伝えに来たと言った。


「その花は勿忘草です。」
「!」
「遊が昔あなたとの思い出話だと聞かせてくれました。」
「…"私を忘れないで"」
「覚えてたんですね…!」


でも、遊がその花に込めていた思いはまた別にあると言う。


「もう一つの花言葉をご存知ですか?」


―叶えられなくてごめん。

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