◆ 五限目


バタバタとお昼休みが過ぎ、次は二時間続きで体育だった。
運動着に着替えて校庭に出る。
食後に二時間ぶっ通しで体育とは、なかなかキツい時間割だ。

今日の体育は男子と女子、別々の種目だった。男子はサッカー、女子はテニス。
私は運動が得意な方ではないので、体育はあまり好きではなかった。
取り敢えず最低限をこなして、平和に授業を終えたい。それだけだった。

男子のサッカーは、開始早々何やら大盛り上がりだった。
大きな歓声が上がり、ふと視線を向ける。
中原くんが見事なリフティングをしていた。確かに上手だ。全然落とさないな。サッカーやってたのかな。

「なまえ!危ないっ!!」

向かい側のテニスコートにいるクラスメイトの、悲鳴にも似た声が届いた頃には、私の頭にテニスボールが直撃していた。
痛いとかそういう感覚はなくて、ただ意識だけが遠のいていった。


2018.10.09*ruka



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*confeito*