◆ Youthful days
珍客、という程ではないか。
偶に訪れる、女子達だ。
目的は勿論、隣のイケメン中原くんだ。
おかげで危機察知能力が少し成長したので、さっと距離を取った。
「あ、おい、みょうじ…」
「中也くん!」
今日は五人の女子が中原くんを囲んだ。
なにやら贈答品を手にしている。
なんだろう、『調理実習で作ったので、食べてください』っていうあれかな。
焼菓子とかかな。
配分を間違えておかずを先に食べきってしまったので、白米だけをつつきながら、遠巻きに眺めていた。
声までは聞こえないが、贈答品を手渡す女子に受け取る中原くん。
女子たちはキャッキャと楽しそうに去って行った。
青春だなぁ、と思いつつ、定位置に戻る。
「ね、何貰ったの?焼菓子?」
「は?なんで焼菓子だよ。」
「え?」
「あ?」
疑問符を飛ばし合う、奇妙な状況になってしまった。
2019.04.30*ruka
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*confeito*