◇ Isn't a cookie?
「じゃあ、箱の中身は何?」
「開けてみなきゃわかんねーよ。
つか手前、白飯しかねえじゃねえか。」
もぐもぐと白米だけを食べながら問うと、笑いながら唐揚げを分け与えてくれた。
「えっ、神なの?」
「唐揚げ一つで神になれるとは、平和なもんだ。」
中原くんが脇に置いた箱を見る。
焼菓子とか入れるのに丁度良い大きさなのに、違うのか。
でもよく見てみると、随分と丁寧な包装がされている。
「これ、調理実習で作ったお菓子じゃないの。」
「は?まぁ、どっかで購ったんだろうな。」
当然のように答えが返ってきた。
え、貢ぎ物…?
中原くんって、そういう人だったっけ。
私が軽蔑の目を向けると、中原くんは若干バツが悪そうに言った。
「別に、この齢になって目出度くもねぇから、いらねーって断ったんだけどよ。
仕様がねえだろ、どうしてもって言われたら。」
うん…?齢、目出度い?それって……
「え、若しかして、今日…誕生日なの?」
「まあな。」
さらりと素っ気なく言うと、中原くんは再びお弁当を食べ始めた。
2019.05.01*ruka
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*confeito*