◇ If it's allowed...?


「欲しいものとか、何かないの?
私に用意できるかどうかは別として、今日は少しくらい我儘言っても許される日だよ。」

二人並んで、食後のお茶を啜りながら問い掛けた。
空を見上げた中原くんの視線が、チラリと私に向き目が合うも、直ぐに空に戻っていった。

「………別にねぇよ。」

本当にないのか、それとも遠慮なのか、将又人には言えないものが欲しいのか。
微妙な間があったから、屹度"何か"はあるんだろうな。
そっか、と言いながら、私も中原くんと同じように青い空を見上げた。

「…なあ、本当に少しなら、我儘言っても許されンのか。」

ぼんやり空を見上げ、どうしようか悩んでいると、横から声が掛かる。
顔を向けると、少し頬が赤くなっている中原くんが、変わらず空を見上げていた。


2019.05.03*ruka



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*confeito*