◆ まるでヒーロー
「可愛いねー!名前教えてよ!」
突然話し掛けられ吃驚していると、如何にも軟派な男性二人が、許可も出していないのに私の隣と向かい側の席に着座した。
他にも空いてる席はあるのに何故。
真逆、こんな喫茶店で絡まれるとは…ついていない。
あまり大声を出して注目されるのも恥ずかしいし、大事にして今後この喫茶店に立ち寄り難くなるのも厭だ。
ここは穏便にお断りを…
「こんな店出て、俺らと遊びに行こうよ!」
隣に座った男性が私の手を掴む。
「や、やめてくださ…」
「貴様ら、僕のツレに用があるのなら、僕が用件を聞いてやる。」
声がした方へ顔を上げると、険しい表情で何やら怒りMAXなご様子の、芥川くんが立っていた。
「なんだよ、男連れかよ。」
芥川くんの一声で、男二人はブツブツと文句を垂れつつも席を離れ店を出ていった。
「フン、なまえさん、無事ですか。」
「ありがとう、芥川くん!すごく助かったよ…」
へらりと笑ってはみたものの、矢張り知らない男の人に手を掴まれるというのは怖かった。
掴まれた手首を抑え、震えていることがバレないようにテーブルの下へ隠した。
2019.06.11*ruka
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*confeito*