◆ case4 菓子と優しい逞しさ
「あー暑い、猪口冷糖も飴もべっとべとに溶けちゃうし!最悪だ!」
そこへご立腹の生徒会長がやってきた。
抱えたお菓子の袋を見ると、成程、高温に弱いものばかりだ。
ぷりぷりしながら自席へ着席して、お菓子の袋を乱雑に机上へ放った。
私は苦笑いで挨拶をしながら、乱歩さんの隣へ移動する。
手にしていた団扇で扇いであげると、幾分かは機嫌が戻ったようだった。
すると今度は敦くんが、暑そうながらも元気な顔でやって来た。
「敦くぅ〜ん、なまえが虐めるよぉ。」
早速、太宰が絡みに行く。
虐めた記憶は一切ないが、この際面倒なのでスルーを決め込む。
困惑する敦くんが私に視線で助けを求めてきたので、暑いねと笑顔を返した。
乱歩さんを扇ぐ私を見て、敦くんは何かを閃いた顔をする。
太宰を振り切って私の横に来たと思ったら、私を団扇で扇ぎ始めた。
「なまえさんが乱歩さんを扇いでいるので、僕がなまえさんを扇いであげます!」
「ありがとう、敦くん。」
元から優しい子だけれど、太宰を振り切る辺り逞しくなってお姉ちゃんは嬉しい。
その太宰はというと、体育座りでしくしくと泣いていた。
「敦くんまで…非道い…」
2019.12.06*ruka
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*confeito*