◇ 遊びましょう


「どこ行くの、なまえちゃん。始まったばかりじゃない。」

笑顔の太宰だった。逃げられない…そう察した私は大人しく腰を下ろす。

「そ、そうですね…」

掴まれた手が痛い。視線も痛い。

「で、手前ぇはなんでここに居ンだ。」

ジュースを一気飲みして、少々乱暴にグラスを置くと、中也くんは私をギロリと睨みながら言った。
それはこっちの台詞だと思いながら答えようとした時、太宰によって遮られる。

「ねーねー、なまえちゃんは彼氏いないの?好きな人は?どんな人が好み?」

「え…?」

「休日は何してるの?趣味とかある?今度一緒に自殺してみない?」

「ちょ、何言って」

まるで初めて会ったかのように合コントークを浴びせる太宰に戸惑っていると、太宰は声のトーンを下げて更に続けた。

「したいのでしょう、"合コンごっこ"。いいよ…付き合ってあげる。」

太宰がやけに合コン慣れしているのも怖いが、不敵な笑みが心底怖い。
そして、何か盛大な勘違いをされている。
隣の中也くんも同じ勘違いをしているのだとしたら、これから地獄のような時間を迎えるのではないかと脳裏を過り、思考を止めた。


2020.01.16*ruka



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*confeito*