◇ 武装生徒会


放課後、私は武装生徒会室に向かった。
生徒会室の扉を開くと、敦くんと賢治くんが居た。

「あれ、まだ二人だけ?」

入室しながら二人に話しかける。

「それが、今日は国木田先生が急遽職員会議が入ったとかで、生徒会の会議は明日に変更になったみたいです。」

敦くんが苦笑いで答えてくれた。そうなんだと言いつつ、部屋を見渡す。

「乱歩さんと与謝野さんは先に帰っちゃいました。」

私の行動から察して、今度は賢治くんが答えてくれた。

「そう…え、じゃあ二人は何をしてるの?」

会議もなくなって上級生も帰宅したとなれば、何も遠慮することなく帰宅できる筈。

「敦さんが、なまえさんが来る筈だから待っててあげようって、提案してくれたんですよー!」

「一緒に帰りたいなって、思って…」

なんて可愛い天使、もとい、後輩たちなの。
可愛い弟二人を一緒に抱き締める。

「優しいね、ありがとう。もちろん一緒に帰ろうね。」

賢治くんは満面の笑みで、敦くんは相当照れてる。
どっちも可愛い。

「あの、もし…もし良ければ、帰りに寄り道しませんか?」

敦くんがモジモジしながら、上目遣いで私におねだりをする。
そんなの断れる訳がない。

「新しくクレープ屋さんが開店したんですよね、敦さん!」

知らなかった。
もしや、私より女子力が高いのでは。

「それはいいね!みんなで行こうじゃあないか!」

どこから湧いて出たのか、私が返事をするより早く太宰が返事をする。

「太宰さん、いつからそこに?!」

敦くんが的確な指摘をする。
然し、太宰はふふふと不敵に笑うだけで答えなかった。

まぁ、私の後をつけてたのは、気付いてたけどね。


2018.10.14*ruka



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*confeito*