◆ 寄り道


敦くんの言うクレープ屋さんに四人でやってきた。
開店したばかりという事もあって、大変な賑わいを見せていた。

「見事に女学生達が列を成しているね!」

太宰の表情が明るくなる。此奴が来たがった理由が解った気がする。

「私達並んでるから、太宰ナンパしてきていいよー。」

気を遣った心算で軽く発言する。
というか、その方が我々三人にとっては平和だからだ。
私としても、可愛い弟達と一緒に楽しくお喋りしたい。
が、太宰はこの世の終わりかの様な表情を見せる。

「如何してそういう事を言うんだい、君って人はっ!いつも私の愛は一方通行だ…いや、待てよ。若しかして、若しかするとこれは嫉妬だね!なまえも可愛いところがあるじゃない。安心し給え、無償の愛を注ぐのは生涯君だけだと誓おう。」

一人でペラペラとよく喋る。
私は完全無視を決め込み、可愛い弟達と戯れる事にした。

「クレープ楽しみだね!何味にする?」

「あ、あの…太宰さんは?」

敦くんが私に完全無視されている太宰を気遣いオロオロしている。
にっこり笑顔で答えてあげた。

「居ないよ、そんな人。」

「非道いっ!!」


2018.10.15*ruka



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*confeito*