◆ 時間が足りない
「なまえがしたいみたいだから、できる限り付き合おうと思って我慢してやっていたけれど…もう充分だろう、"合コンごっこ"は。」
少し悲しそうな表情を見せる太宰に流されそうになったけれど、彼は大きな勘違いをしている。
「ま、待って!ここに来たのは私の意志じゃなくて、唯の人数合わせで…」
「そんな言い訳は通用しないよ。いるよね、そうやって自分は全然出会いを求めていませんって顔しておいて、結局一番美味しいところ持っていく奴!」
なんか、だんだん太宰が何を言いたいのか解らなくなってきた。
「まったく、だから君は」
「太宰、もう三分経っちゃうよ?」
エンドレスの説教に突入しそうだったので、タイムリミットをチラつかせてみる。
太宰は大袈裟に溜め息を吐いた。
「つまりだね。」
「つまり?」
「…もう、二度とこんな場には来ないでほしいのだよ。私個人として、ね。」
「太宰個人として?」
太宰を見つめ説明を求めると、一瞬押し黙ってから私の頭を撫でた。
「…知りたいかい、その理由が。」
そう言って怪しく微笑むと、顔が近づいてきた。
2020.01.26*ruka
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*confeito*