◆ 作戦会議?


先頭を太宰が行き、間に二人を挟むように一番後ろに中原がつき、無言で手洗処へ四人で入る。
太宰は入った正面にある鏡の前で髪を弄りだした。

「君たちはさぁ、誰狙いで行くの?アヤちゃんは活発で明るいし、フミちゃんはおっとり癒し系だし、今日は当たりだよね。
でも、私は断然…」

太宰は一度言葉を区切ると、鏡越しにゴウとツヨシを見る。

「なまえちゃん狙い。絶対に譲らないからね。」

鋭い眼光を向けられた二人は、小刻みに震えていた。
その後ろでは、中原がポキポキと指を鳴らしている。

「今日はよく手が滑っちまってな、次なまえに気安く触ろうとしたら…今度は命中しちまうかもなァ?
因みに、俺も譲る気はねぇよ。」

怯える二人にゆっくり歩み寄る中原。
太宰も体を反転させ二人と向き合う。

「それでも尚、私たちと遣り合おうというのなら止めないけれど…ね?中也。」

「嗚呼、そうだな。オススメはできねぇが…仕様がねぇよなァ、太宰。」

中原は二人の間に立ち、両者の肩に手を掛ける。

「まァ、楽しもうぜ?」


2020.01.30*ruka



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*confeito*