◇ 早く会えるといいのですが
二人は先ず、なまえと中原の教室へ向かった。
ガラリと扉を開け、電気を点けるも人の気配はなかった。
中原が呼び掛けてみたが、矢張り何も返ってはこなかった。
次に太宰の教室へ向かった。
中原は絶対にそこには居ないと反対したが、それを押し切り、太宰が勢いよく扉を開く。
「なまえ、私はここだよ!………あれ。」
然し、薄暗い教室に人影はなく、ここでも声が返ってくることはなかった。
「だから言ったろ、ここには絶対いねーって。」
中原が勝ち誇ったように言うも、太宰は無視して、悩む素振りを見せる。
「ここでもない…他に行きそうな場所と言ったら、武装生徒会室だけれど、電気は消えていたのが見えたし。」
うーんと悩む、太宰に舌打ちをしてから中原が問いかける。
「どうする、一応行っとくか?」
太宰は少しの間をおいてから、首を横に振った。
二人は下手に探すのをやめ、昇降口で待つことにした。
2020.02.26*ruka
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*confeito*