◇ 予想以上の収穫です


その頃、太宰は他校の正門で下校する女生徒達に心中を申し込んでいた。

「美しいお嬢さん方、私と心中して頂けませんか?」

言っていることはさて置き、容姿端麗の太宰に黄色い声が上がる。

「おや、太宰くんではありませんか。どうしたのです、こんな所で。」

太宰に声をかけたのは、少し長めの髪を揺らしたフョードルだった。

「白々しい。私が此処に来るよう仕向けたのは君だろう。」

両者共に笑顔だったが、相容れないなんとも形容し難い空気が流れ、女生徒達は徐々に離れていった。
そういえば、と切り出したのはフョードルだった。

「そういえば、なまえさんのキーホルダーは見つかったでしょうか。」

思い出すように、視線を少し空へ向け続けた。

「彼女、キーホルダーがないことに気づいた途端、血の気が引いて…余程大切なものだったのでしょう。
探すお手伝いを申し出たのですが、断られてしまって。その後、どうなったのか気掛かりだったのです。太宰くん、何かご存知ですか?」

心配、その表情を向けたフョードルに答えた太宰の顔からは、笑みが消えていた。

「"見つかったか"ではなく、"どうなったか"が気掛かりだという言葉が君の本音だろう。
結果なんて言うまでもない。関与した男子生徒は謎の転校をし、キーホルダーは見つけたよ。
なまえには私がいるんだ、見つけられない訳がない。当然だろう、解ったら今後一切、君のくだらない遊びになまえを巻き込むな。
抑も、君達の狙いは私だろう。」

そこまで言うと、突然フョードルはクスクスと笑い出した。


2020.03.07*ruka



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*confeito*