◇ 淡い下心は恋心
「なまえさん!お疲れ様でした、残念でしたね…」
組の応援場所へ戻ると、敦くんが優しく迎え入れてくれた。
「ごめんね、負けちゃった。」
両手を合わせて謝罪の意を表すと、敦くんは取れてしまうのではないかと思う程に首を左右にぶんぶんと振った。
「でもね、応援、ありがとう。すごく嬉しかった!」
心からの言葉だった。これだけはちゃんと伝えたくて、敦くんの両手をそっと握りながら言った。
「なまえさん…僕が頑張ります!最後の継走で、挽回してみせます!それで若し、一位になれたら、僕と二人で…」
「おー、なまえお疲れ。」
「中也くん!的確な助言ありがとう!」
敦くんの後方から中也くんが片手を上げて近付いてきた。私も手を振って応える。
「ん、敦くん、今何か言い掛けた?」
敦くんが言葉を続けていた様な気がして、視線を中也くんから敦くんに戻し問い掛けてみると、何故か赤面していた。
「あ、いえ…何でもないです!」
今度は両手をぶんぶんと振り否定した。本当?と再び問うと、うんうんと大きく頷いた。
異常に身振り手振りが大きいのが可愛いなと思いながら、またねと中也くんの元へ走った。
2020.10.16*ruka
前 ◆ 続
<<back
*confeito*