◆ 遅刻魔


予鈴が鳴る。
席を離れていた生徒達が、次々に自席へ着席していく。
このくらいの時間では、まだ中原くんは登校してこない。
最近は割と真面目に朝から居ることが多いが、基本不良気質なのか遅刻してくるのが通常運転となっていた。

そわそわする。早く来ないかな…
遅刻にも関わらず、堂々と教室に入ってきて、私の挨拶に軽く返事をしてほしい。

風邪なんてひいていないだろうか。
昨日随分と肩が濡れていた。申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
それに電車を降りた後はどうしただろう。傘は中原くんに貸してあげればよかった。
中途半端なことをして、かえって気を遣わせてしまったのではないだろうか。

考えれば考えるほど、自分の行動は浅はかなものだったと思い知る。自責の念で潰れてしまいそうだ。
私が懺悔の涙を流しそうになっている間に、ホームルームは終わっていた。

「よぉ、昨日は世話になったな。」

頭の上から聞きたかった声が降ってきた。


2018.10.29*ruka



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*confeito*