◇ 悪魔でしょうか、いいえ、天使です。


なぜ!今!このタイミングで!?

更に厳しい視線を向ける太宰とは目を合わせないようにして、なんとか自然に断ろうと敦くんを見た。そこには悪魔なんて程遠い、ワクワク感溢れる表情の天使そのものが居た。
こんな可愛い弟の誘いを断らなければならないなんて…

「ごめんね。せっかくのお誘いなんだけど、土曜は先約がい」

「それは誰だい?」

私が言い終わる前に太宰が詰め寄る。私が話しているのは敦くんなんだから、邪魔しないで頂きたい。

ねぇねぇと、どんどん間合いを詰めてくる太宰を避けながら敦くんを見ると、何とも悲しそうな、捨てられた子犬みたいな表情をしている。
今すぐ抱きしめてあげたいくらい可愛い。しかし太宰が邪魔で、思うように動けない。必死の思いで、太宰をできる限りの力で突き飛ばす。すると少しだけ離れてくれた。
今だ!私はすかさず敦くんを抱きしめた。
すると後ろから太宰に抱きしめられた。

「あんた達、何してんだい。」

与謝野さんに見られた。


2018.11.18*ruka



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*confeito*