◆ +妖精さん?


不機嫌そうな中原くんが太宰の襟元を掴んでいた。こめかみに青筋が立っていませんか…
太宰は舌打ちをして、中原くんの手を振り解く。

「何だろう、突風かな。さぁ、行こうなまえ。」

「おい、手前ェ!無視すんな!」

「おや、妖精さんの声が聞こえる。」

「巫山戯んな!」

学校となんら変わらない二人の遣り取りに、思わず吹き出してしまった。二人の視線が私に向けられるも、笑いながらごめんとしか言えなかった。
却説、どうしたものか。

「胸糞悪ぃ、行くぞみょうじ。」

私の手首を掴んで中原くんが歩き出そうとしたけれど、私は動けず。なぜって。

「みょうじ離せよ、太宰。」

「厭だ、と言ったら?」

がっちり後ろから太宰にホールドされていた。
何、この図。


2018.12.01*ruka



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*confeito*