◆ 君の好きになりたい


太宰が自慢気に中原くんへ言い放つ。

「中也は知らないかもしれないけれど、なまえはイルカも好きなんだよ、ね?」

「うんっ!大好き!」

太宰が私に同意を求めたから、満面の笑みで答えたというのに、なぜか太宰はフリーズしている。

「なまえちゃん、今の『治、大好き!』に言い変えて、もう一回言ってみて。」

真顔で意味のわからないことを懇願してくる太宰。当然無視した。

中原くんに視線を移すと、入口でもらったパンフレットを見ていた。

「もう少しでイルカショーが始まるみたいだ、見てくか。」

ショーのタイムスケジュールを確認してくれていた。大きく頷いて、二人の手を引き、会場へ向かった。


2018.12.20*ruka



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*confeito*