◆ どっちでもいいか


「おや、珍しく普通のセンスだね。」

こんな可愛いイルカのぬいぐるみを前にしても、"普通"と評価を口にする太宰を勢いよく振り向く。
大体にして、私は贈り物とはそのもの自体よりも送る人の気持ちを尊重したいと思っている。文句の一つでも言ってやろうと口を開いたところで、また目の前にあの袋が差し出された。袋の横からひょこっと顔を出した太宰が、ニコニコと私を見ている。

「なまえに、だよ。」

真逆、太宰からもお土産を貰うとは予想もしていなかったので、驚いた顔のまま袋を受け取る。呟くようにお礼を言って受け取ったものの、驚きのあまり袋をじっと眺めていた。

「ふふ、中身が気にならないのかい。」

小さく笑われてから気付き、慌てて開封した。

「…………なに、コレ。」

ふわふわで心地よい手触りのそれが、ぬいぐるみだということはわかるけれど、これはウミヘビ?ウツボ?なんでも細長い海洋生物のようだった。
ピンク色のそれは可愛くない訳ではないが、なぜこれを選んだのだろうか。
太宰を見ると私の微妙な反応を全く気にしていないような笑顔を向けられる。

「気に入ったかい、ウミヘビちゃん。ウツボちゃんだったかな。」

「「どっちだよ。」」


2019.01.01*ruka



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*confeito*