◆ 確認
「これは、なまえさんから僕への、猪口冷糖と自惚れて良いのですか。」
一瞬、芥川くんが何を言っているのか解らず、数秒無言で見つめ合ってしまった。
「いいのですかって、芥川くんに今渡したのだけれど?」
芥川くんはまた少し紅くなりつつ、視線を逸らした。
「僕のことを、その…好いている、という事で間違いないだろうか。」
「うん、好きだよ。」
さり気なく掴まれていた手を引っ込め、両手を合わせていただきます。
お弁当を食べ始めてから、熱すぎる視線に気付く。
手には私が贈ったチョコレイトの包みを持っていた。
「そんなに強く握りしめたら割れちゃうよ?それとも、要らなかったかな。」
芥川くんがそんな事を言う子ではないと解っているが、つい揶揄いたくなって意地悪を言う。
「否、この猪口冷糖だけは僕が全て頂戴する。」
至極真面目な返答を頂き、私はまた苦笑いを返した。
それからも、ちょいちょい芥川くんを揶揄ってみたものの、どれも真面目過ぎる返答ばかりだった。
実に彼らしくて、寧ろ面白かった。
平穏なお昼休みが過ぎていった。
2019.02.05*ruka
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*confeito*