◆ 計算通り
少し怒気を含んだ声色で、武装生徒会室の扉を開け放ったのは国木田先生だった。
一番最初に目についたのが太宰の周りに半分散らかり、半分整えられた猪口冷糖の包みだった。
私は思わず乱歩さんの方を見た。
先まで同じように猪口冷糖等のお菓子が沢山目の前の机上に積まれていたからだ。
然し、そこには綺麗な机に何やら書類を読む乱歩さんが居た。流石だ。
「没収だ、没収!」
「はーい、国木田先生。どうぞー。」
太宰がおとなしく国木田先生に猪口冷糖を差し出す。
此奴、これが目的で態と…?
国木田先生は怒りながら両手いっぱいに猪口冷糖を抱え、職員室に戻っていった。
あれ、会議は?
◇
その後、ぶつくさと文句を言いながら戻ってきた国木田先生と無事に会議を行い、本日はお開きとなった。
皆で帰ろうとなった時、教室に忘れ物をした事に気がついた。
「あ、ごめんなさい。忘れ物取りに戻るので先に行ってて下さい。」
皆にそう告げて、急ぎ足で教室へ向かう。
太宰は着いてこようとしていたが、待ち伏せしていた乙女に捕まったようだ。
2019.02.09*ruka
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*confeito*