◇ ざらついた熱情


なんとなくでやってみたものの、我ながら中々上手く出来た。
そしてまた編み込みが似合うな、この人。
なんか解くのが勿体ない…
私は自分の髪からピンを一本取り外す。
今日はポニーテールをしていたので、後れ毛を止めるためにピンをしていたのだ。
飾りはなく、片側だけが捻れているデザインのシンプルな金色のピンだ。
それを中原くんの耳の後ろ辺りで留める。
髪色的に、私より金色のピンが似合っていた。
記念に一枚写真を撮らせてもらい、私は武装生徒会室へと戻った。



「………遅い。」

なまえが教室にカーテンを閉めに出た後、武装生徒会室では太宰が仏頂面でなまえの席に着座していた。

「御手洗でも寄っているんじゃないでしょうか。」

困りながらも中島が宥めるが、全く効果はなかった。

「私、様子を見てくるよ。」

「え!でも…もう国木田先生が来ちゃいますよ?」

勢いよく席を立った太宰に中島が叫ぶも、制止は叶わず、宜しくと手を振り消えていった。宜しくの意味を悩む中島だった。


2019.04.20*ruka



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*confeito*