緋山は宮本望海の件で橘を探しに小児科の中庭に来ていた。




「おーい、みんな水鉄砲持ってきたぞ!」




バケツ一杯に水鉄砲を入れた橘に子供たちが群がる。それを微笑ましく見ている緋山だったが、橘の行く先には息子の優輔と三井、神崎の姿があった。





橘「優輔もやるか?」



『やろやろ!』



橘「なんで、稜も居るんだ?」



『優輔に会いに来た!』



優「稜ちゃん、すごい面白いゲーム買ってきてくれたの。」



三「さっきまで、一緒にゲームしてたのよ。優輔も凄く楽しそうで。まるで、姉弟のようだったわ。」



橘「稜は精神年齢低いからな(笑)」



『啓ちゃん、聞こえてるからね!』



優「稜ちゃんみたいなお姉ちゃんなら僕、欲しい!」



『おっ!嬉しいこと言ってくれるな(笑)今度は橘家に養子になろうかな。』



橘「そんなこと言ったら、進藤が泣くぞ(笑)」



『確かに(笑)あれ、緋山先生。』



橘「おう、緋山。なんだ?」



緋「すいません。」



優「いいよ。仕事してきて。」



橘「うん。じゃあ。」



『いってらっしゃーい』



橘「いってらっしゃいじゃないよ、稜。お前も仕事戻るぞ。」



『もう少し、優輔と遊ぶ!』



橘「さっき、子ども扱いすんなって言ったのは誰だったかな?」



『啓ちゃんのケチ!ブーブー』



優「稜ちゃんも頑張って!」



『うん!また遊びに来るね!!』




神崎はブーブー言いながら救命に戻っていった。





◇ ◇ ◇ ◇ ◇




医局の裏の備品室で胸腔ドレーンの練習をする横峯の姿を見つけた藍沢はICUのある患者の元へ連れてきた。




藍「やってみろ。」



横「えっ?」



藍「せっかくこんな患者がいるのに何で人形なんかで練習するんだ?」



横「いや、でも…」



藍「安心しろ、この大量胸水の患者は意識がない。お前がどんなに下手くそでも文句を言わない。最高の練習台だ。」



『…!!』





近くで記録をしていた神崎は眉間にしわを寄せた。





白「藍沢先生、少し言い方がっ…!?」






バチンッ!!





藍「……ッ!!」





白石が注意しに藍沢に近づいたと同時に鳴り響いた音は、目に涙を溜めた神崎が藍沢の左頬を引っ叩いた為だった。

ICUにいた緋山ら他の医師、看護師も驚きながらも藍沢と神崎の様子を見ていた。





『……耕作が…あの教授と同じだとは思わなかったよ…。』





そう藍沢に聞こえるか否かの声で話、ICUを去っていった。

そして、この時藍沢は自分が何故叩かれたのか分かっていた。