エレベータに乗っている藍沢、神崎と新海。
天野奏が手術はしないと言っていることに頭を悩ませていた。
そこに、白石が乗り込んでくる。
新「どうですか?藍沢。救命で迷惑かけていませんか?」
白「口が悪くて少し困ってますけど。まぁ、それは昔からなんで。」
新「なんか、二人よく知った仲って感じですよね。」
『……』
白「付き合いが長いだけです。」
白石の言葉にどこか腑に落ちない神崎。
モヤっとした気持ちが何なのか頭を悩ませているうちに新海がエレベータから降りていくところだった。
新「白石先生、神崎先生も。今度食事どうでしょう?藍沢の愚痴聞きますよ。」
エレベータが閉まり、新海の言葉の意味が分かっていない白石と、自分も誘われたことにすら分かっていない神崎。
『……なんだ、さっきのモヤっとした感情は…』
ボソッと呟いた神崎の言葉を藍沢は聞き逃さなかった。
藍「おまえ、ああいうのがタイプなのか?」
『え?どういうの?』
藍「いや。いい。」
分かってないならいい。とボソッと呟く藍沢だった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
その頃、初療室はいつものようにバタついていた。
冴「緒方博嗣さん。41歳。渓流で足を滑らせ転落。頸髄損傷の疑いです。」
緋「なに、釣り人?」
名「有名な料理人らしいですよ。ミシュラン一つ星だそうです。」
緋「へぇ、すごっ!」
緒方の顔を見て緋山はタイプだと話す。
この出会いが、自分のこの先の運命を変えることなど、この時の緋山には分らなかった。
そして、この後に鳴ったHOT LINEで、ヘリに乗る患者以外の2人の命が危険にさらされるなんて、予想だにしなかった。
『翔北救命センターです。』
「(無線)木更津消防よりドクターヘリ要請です。」
『どんな患者ですか?』
「(無線)木更津森林公園内で男性が倒れていたそうです。呼吸が弱く意識もはっきりしません。」
『わかりました。出動します。』
今日のヘリ担当は、
フライトドクター:神崎 稜
フェロー :灰谷 俊平
フライトナース :冴島 はるか