Marguerite

合間の女子トーク

 
「それってもしかして、チャラチャラやケロケロの前に、『よその男と』とか『よその男の事で』とかが付くんじゃねーの?」
「例えば、総司と遠山さんが腕を組んでるとか総司のことべた褒めしてるとさ」
「そやそや、それやそれ!!さすがっ、ぐ!」
「工藤って言わない…!!」

工藤、と言いかけた服部君の口を手で覆う。すぐ近くに毛利さんと遠山さんがいるから小声で服部君に言えば、す、すまん、と言われてほっと息を吐く。

「ほんで?なんでかわかるか?二人共…」
「服部…」
「服部君…」

コナン君が左手で服部君の肩に手を置く。私も反対側の肩に手を置いて、服部君を見る。
そして、別に打ち合わせも何もしていないけれど私達は声を揃えて言う。

「「ガキだな…」」
「なんじゃコラ!!ガキにガキ言われとォないんじゃボケ!!!」
「私同い年だし!!!むしろ恋人いる分服部君よりも大人の階段登ってるし!!」
「なんやとォ!?」

ガキだと言った瞬間にバッ、と私がコナン君を抱っこして、それを見た服部君がコナン君は掴みにくいと判断したのか私の胸ぐらを掴む。腕の中でコナン君が呆れているけれど無視だ無視。

「ちょ、ちょっと…。女の子相手に何怒ってんの?呉羽ちゃんかわいそーやん!」
「どーしたの?いきなり…」
「どーしたもこーしたもあるかい!こいつらがわけのわからん事ぬかすからや!」
「わけがわからないのはこっちだよ」

私を庇うように遠山さんが肩を掴んで引き離す。服部君は本当に自分の気持ちにはやく気付いて欲しい。気付くのは、いつごろだっただろうか。

「もっと詳しく思い出してくれませんか?5年前訪ねて来たというその不審な男の事を…」

ふいに聞こえた目暮警部の声に、私と服部君、コナン君が視線を移す。コナン君を床に降ろして話に耳を傾ける。警察は5年前に訪ねて来たという不審者を容疑者として捜査をしていくらしく、奥さんに話を聞いている。

(ここにいる人じゃなくて、もっと別の人をモデルにすればよかったのにね…)

もしそうしたら、捜査はもっと困難になるのだろうけれど。
今から服部君とコナン君は捜査モードに入るだろうし、その間に私がすることは今回は殆ど無いだろう。犯人が変なことをしないように見はっておくぐらいか。私は捜査する気満々の彼らから離れて、犯人である彼を見る。

「呉羽、星河さんが気になるの?」
「え?」
「何か星河さんのこと見てるから…」
「え、そうなん?」

やばい、探偵じゃなくて女性陣に捕まってしまった。そう思いながら、苦笑いして彼女らを見る。別にそんなんじゃないよ、とだけ言ったけれど二人はあまり満足はしていないらしい。

「毛利さんには言ったけど、恋人がいるって言ったでしょ?星河さんぐらいの年齢なんだよなぁって思って見てただけ」
「え、そんな離れとるん!?」
「呉羽って年上好き…?あれ、でも星河さんっていくつだっけ?」
「26、27ぐらいだったと思うよ」

多分ネットで調べたら出てくると思うけれど、さすがにそこまでするのは面倒だ。ただ、顔の系統は全く違うのだけれど。星河さんは、どちらかと言えば安室さんに近いだろうか。爽やか系。

(あれ、でも待って。年齢的に近いのって……)

今ここにいる彼らの年齢を思い出す。そして、私は頭を抱えてしゃがみ込んだ。

「あー…笑えないわコレ」
「え、呉羽大丈夫?」
「大丈夫だけど大丈夫じゃない…。ただの自己嫌悪だから気にしないで…」
「えぇ…。そんなことするような場面ないやろ…?」

毛利さんと遠山さんが心配そうに見ているけれど、今はそれどころじゃない。どっちかというと星河さんより展子さんの方が年齢近かった。秀一さん、30超えてるんだ。身体の年齢差は確かにかなり離れているのだけれど、中身の年齢差はあまりないものだから改めて考えると結構ショックだ。

「同い年の幼馴染って良いね…」
「でも呉羽ちゃん、沖田君と幼馴染なんやろ?」
「あー……うん。でも恋愛対象じゃないしなぁ…」
「え、呉羽幼馴染いるの?」
「京都にね。剣道の大会で会ったのが最後だけど」

付け加えるなら、最初で最後だ。連絡は取ってるけど。
一方で昔のアルバムを見よう、という話になった警察関係の人たちや探偵二人を見て、私は小さく息を吐いた。

2016.05.
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