「暇だ……」
「そう思うんならちょっとは推理しろよ」
「私探偵じゃないもーん」
ぷい、と協力を求めるコナン君から容赦なく視線を逸らす。犯人を知っているしトリックも何か扉使ったやつということはわかっているだけにそこの過程までを捜査するのはもう面倒だ。コレが組織が関係していたり秀一さんいるならもう少し手助けしたりするのだけれど。
(私、ホントに秀一さんのこと好きだな……)
我ながら、呆れるぐらいに。まぁ、この世界に来てからずっと秀一さん一筋だから仕方ないのだろうけど。
毛利さんたちが影の違いを思い出して、服部君たちに告げる。犯人が突き止められるのも、時間の問題だろうか。特に星河さんに変な動きはないか、と思っていた時。服部君に腕を引かれる。
「な、何?」
「お前はこっちや。範田さん達が寝泊まりしてた部屋行くで」
「えぇー…」
引きずられるように腕を引っ張る服部君に声を漏らすけれど、彼は気にした様子もなくグイグイ腕を引いて私を連れて行く。私に構う暇があったら遠山さんに構えばいいのに。
そのまま奥さんによって寝泊まりしていた部屋に案内されて、ようやく腕を開放される。探偵二人は奥の窓を開ける。
「奇術師が建てた家なら何か仕掛けがある思てたけど…」
「死体を二階に上げるエレベーターのような物もないし…停電した時に、範田さんと奥さんがこの部屋にいたのなら犯行は不可能だ…」
「死体を見つけた時にいっちゃんそばにおった星河さんも、そん時和葉にしがみつかれてたら、死体なんか置けへんし…」
「…となると、やっぱ部外犯ってわけか……」
「まぁ、片手で星河さんが死体を置くことができたら話は別だけどね」
窓の横の壁にもたれかかって、息を吐きながら言う。今の時点で言えるのは正直コレぐらいだろう。
そのとき、外から千葉刑事が現れて目暮警部を呼ぶ。外の植え込みには枝が何本か折れていて、足跡を消したような痕跡があったらしい。その場所は、ちょうどMr正影の部屋の真下。
「これが隠蔽じゃなければ、外部犯かなぁ…」
「外部犯やとすると…」
「後は警察の仕事…」
「オレらの出る幕は…」
「なさそう…」
二人がそう言って事件はこれで終わりか、という雰囲気を見せたとき。目暮警部が窓を閉める姿を見て何かに気付いたようにまじまじと窓を見る。目暮警部は視線に気付いたのか、二人の視線を追って窓ガラスを見る。
「なるほどなァ…」
「そういう事か……」
口角を上げて窓を見る二人を見て、私も小さく口角を上げた。
2016.05.
back