ライトを手に持って、部屋が暗くなるのを待つ。時計を見れば服部君が言った10分は過ぎていて、そろそろ停電する頃だろうか。
「呉羽さんは服部君の推理に参加しなくてよかったのかい?」
「んー…。犯人分かっちゃってますしね」
「へぇ…。探偵だっけ?」
「いや、違いますよ。工藤君とか服部君に巻き込まれることはありますけどね。…あ。消えた」
一緒にいた千葉刑事と話していると、フッ、と辺りが暗くなる。私がブレーカーを元に戻せば、また部屋に明かりが戻ってくる。
もう停電させることもないだろうし、ライトもいらないだろう。ライトのスイッチを切って、小さく息を吐く。
「あとは、服部君たちが犯人突き止めてくれるかな」
顔はいいのに、勿体無い。そう思ってもしてしまったことは仕方がない。何度目になるか分からないため息をついて、服部君たちのところへと戻った。
+ + +
「和葉姉ちゃんが他の男と仲良くしてるとイライラするって!あれってどーいう意味?」
意地悪く服部君に尋ねるコナン君の声が聞こえた。後ろから私も知りたいなーと全てを分かってるだけにもう楽しむ勢いで聞けば、服部君はせやせや、と言って遠山さんを見る。
「そのワケがやっとわかったんや…。きっと俺は…お前の事を…」
遠山さんが、服部君を期待するような目で見る。ごめんね、彼はまだそういうことに気付いてないよ。というか本当に告白ならもう少しムードのあるひと目につかない場所でお願いしたい。
「子分やと思てんねん!」
「こ、子分?」
「親分としては、よそ者に尻尾振られたら面子立たんし、気分わるいやろ?そやからイライラしてたっゆうわけや!」
「何でアタシがあんたの子分やねん!!」
「お前のオトンも俺の親父の子分やんけ!」
言い合いをする二人を見て、コナン君と二人で小さく息を吐く。私がしゃがんでコナン君にどう思う、あの男、と聞けば駄目だろアレは…と言われた。やっぱり、子分は駄目だろう、子分は。
「にしても今時自分の恋心にも気付けない高校生がいるとか希少価値でしょ」
「希少価値って問題か?アレ…」
「工藤君、毛利さんから子分と思われてるかも、とか思われてないといいね」
「いや、それはねぇだろ…」
苦笑いをしながら未だに言い合いを続ける二人を見て、コナン君が言う。残念ながら毛利さんの視線は言い合いをしている二人で、恐らく夜には工藤君の携帯にメールが来るだろう。
「そういやオメー家には連絡したのか?」
「あぁ、今日は私一人だから大丈夫だよ」
今日は、というか暫くは、だろうか。私には関わらせるつもりがないのか、秀一さんは私に何も言わない。けれど、徐々に私の家に来る頻度が減っている。きっと、FBIも動き始めているんだ。
(身体、壊さなきゃいいけど……)
いつものことだけれど、彼の目の下にある隈を思いだしながら息を吐いた。
2016.05.26
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