「っ、あ……ん、だめ、」
「駄目というわりには、反応は良さそうだが?」
「やっ…ぁ、」
真っ暗な部屋に、嬌声が響く。転がったまま後ろから私を抱き寄せていた秀一さんに身体を触れられて、抵抗をするけれど秀一さんに慣れた身体は簡単に熱を持つ。
私の中で秀一さんの指が動いて、私の弱い所に触れる。
「ぁ、んんっ…ふ…」
「もう一人ぐらい、子どもがいてもいいか?」
「それは、ぁ、いい…けど…」
子どもは3人いるけれど、上二人はもうあまり手がかからない。一番下のコも4歳で、もう少ししたらそこまで手がかからないぐらいになるだろう。
お腹に回す秀一さんの手を握って、快楽に耐える。刹那、ふいに秀一さんの動きが止まる。
「っ、秀一、さん…?」
「いや、なんでもない」
「ぁ…ふ、んんっ…」
何かあったのかと秀一さんを見上げるけれど、特別変わったこともなくて。それよりも、というように服を脱がされて、私はぎゅっとシーツを握りしめた。
+ + +
「嫌っ!」
「おい……」
声が聞こえてきた方を見れば、声を発したのは一番下の息子で。どうやら秀一さんがチョロチョロしているのを静止するのに抱え上げようとしたけれど手を叩かれたらしい。
「大丈夫?」
「あぁ。俺は、な」
「どうしたの?いきなり叩くなんて、」
「パパ、昨日ママのこと泣かせた!だから嫌!」
「え……」
いつ泣いたっけ。というかいつ泣かせられたっけ。秀一さんもそれは同じようで、顔を見合わせてお互いに首を傾げる。
「それって、いつ?ママ、あんまり覚えてなくって…」
「夜だよ。目が覚めてママのところ行ったら、部屋で泣いてた」
「夜……?」
「あぁ、アレか」
視線を合わせるようにしゃがんで尋ねれば、息子から出た言葉は夜。夜に泣いた記憶はないのだけれど、と思っていると秀一さんは納得したのか別に泣かせてたわけじゃない、と呟く。
「嘘だ!ママ、泣いてたもん!」
「……いや、ある意味合ってはいるか」
「ねぇ、私泣いた覚えないんだけど…」
昨日の夜に何かあったっけ、と横に立っている秀一さんに尋ねれば、くしゃりと頭を撫でられる。私に引っ付いて離れようとしない息子をちらりと見て、小さく息を吐いて耳元へと口を寄せる。
「夜中、いい声で鳴いていただろう?」
「っ、なっ……!」
「誰か来たのは気のせいかと思ったんだがな、やっぱり来てたのか」
「え、えっ…私が泣いてたってそういう…!?」
「以外に思い当たるか?」
「うっ……」
確かに、ソレ以外に思い当たることなんて無くて。秀一さんに向けて寄るな触るな近寄るなという姿を見せる子どもを見て、いっそ穴に入りたい気分だ。まだそういうことに関して知識が無かったことが救いだろうか。
「泣きたい……」
「また、夜に鳴いてもいいぞ」
「そういうことじゃない!」
ただでさえ秀一さんと息子の相性はよくない。よくない、というよりは一方的に秀一さんが嫌われているのだけれど。息子の中の誤解をどう解くべきか、と思いながら息を吐いた。
2016.06.05
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