ホグワーツから借りた本を読んでいるうちに、新学期はすぐやってきてしまった。入学時と同じく不安しかなかった。
自分の正体がばれるかもしれないという不安。同僚はともかく、生徒たちを傷つけてしまうかもしれないと思うと、引き受けたことを後悔してしまう。
そんな中で、ハリーに会えるということは私の心を躍らせていた。けれど、今、シリウス・ブラックが脱獄したというニュースが魔法界を動揺させている今、ハリーの命は危ないかもしれないし、私の命も安全とは言えない。ハリーの命に比べれば、いや比べなくても私のような人狼の命は取るに足りないものだけれど。
懐かしいホグワーツ特急に乗り込んだ。生徒はまだ数人しかいないようだ。あの頃と同じように、話しかけられないように寝たふりをした。
ホグワーツで過ごした満月はとても不思議だった。一週間前から脱狼薬を飲まなければならないというのは辛かった(魔法薬の例に漏れず尋常ではない不味さと苦さだった)し、満月の夜は狼になった。いつも変身したときの気分など覚えていないが、今回は鬱々とした気分だった。でも自我はあった。自傷することがなかったのは初めてだった。
良いのか悪いのか、というような状態だった。常にスネイプに観察されていたから緊張していたのかもしれないけれど。