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他の新入生たちと一緒に大広間に入って、四つのテーブルについたたくさんの生徒を見たら、不安はぐんと増した。先生方がサポートしてくださるとはいっても、こんな大勢の中で七年間も正体を隠し通せる自信はない。
でも父さんと母さんに迷惑をかけ続けるわけにはいかないから、なにがなんでもやりぬかなくちゃいけないんだけど。
組分け帽子は僕をグリフィンドールに入れた。僕は勇猛果敢なんかじゃないけど、今いちばん欲しいものは勇気かもしれない。

翌日は、マクゴナガル先生が満月の前後お世話になる医務室のマダム・ポンフリーのところへ連れて行ってくれた。
そして、三人で僕が満月の夜を過ごすことになる建物に行った。暴れ柳という大きな木の下の穴と、薄暗くて細長い廊下を通って、小さな窓とベッドのある大きな部屋に着いた。部屋も廊下に負けないくらい薄暗くて、僕は少し安心した。これなら自分の変身した姿や傷ははっきりとはわからないと思ったから。


ホグワーツで初めて迎えた満月の夜。僕はマダム・ポンフリーに送ってもらって、例の部屋に入った。服と杖を部屋の隅に置いて、ひとりうずくまる。
ホグワーツに入学しても、満月の夜はやっぱりみじめだ。でも今夜は父さんと母さんにとって久々に静かな満月だと思うと、少し気持ちが和らいだ。

朝はなぜかはやくに目が覚めた。まだみんな起きていない時間だ。制服を着て杖を持って、医務室に向かった。
マダム・ポンフリーが手当をしてくれて、浅い傷は少しふさがった。人狼の傷は薬では治りにくいけれど、すぐに治るから1日だけ医務室で過ごすことになっていた。
ひとりで清潔で白いベッドに横になっていると、僕にはあの部屋のような古くて薄暗い場所のほうが合っているんじゃないかという気持ちが大きくなっていく。寮だって、明るいグリフィンドールよりも地下のスリザリンのほうが人狼には合っているかもしれない。
ALICE+