森のお茶会。
「因みに3月には地球も爆破する予定です」
森の中で出会った黄色いタコさんは地球を滅ぼそうとしている超生物でした。
…これは夢なのでしょうか?
そんなことを思いながら、こうなった経緯を振り返ってみた。
それはお昼休みのこと。
中庭で珍しく白い子うさぎを見つけた。
触れようと近づいてみたらぴょこぴょこと私から離れて、こちらを窺うように見つめてきたのだ。
その様子がまるで「ついて来て」と言っているようで。
誘われるようにその子うさぎを追いかけた。
子うさぎの向かった先は、近づかないようにとお父様に言われている森の中。
…入っちゃダメだよね。
足を止めて、子うさぎを見送ろうとすると子うさぎも足を止めてこちらを向いた。
来て来て。
そう訴えるような目で見つめられ、少し考える。
…ごめんなさい、お父様。
そう心の中で謝ってから森の中へと進んでいった。
木々の生い茂る森の中を子うさぎを追って進んでいく。
緑豊かな木の枝がお日様を遮っているせいか、辺りは少し薄暗い。
少し怖くて足を止めると、子うさぎも足を止めてこちらを窺った。
もう少しと励まされた気がして、足を進めると開けた場所に出た。
薄暗い森から明るい場所に出られたことにほっとしていると誰かに声をかけられた。
「…おやおや、お客さんですかねぇ」
「!!」
びっくりして声のする方を向けば、お洒落なテラスが目に入る。
そして…黄色いタコのような生き物?が椅子に腰かけてティーカップを持っていた。
テーブルにはティーポットの他に洋菓子も置かれていて、まるでお茶会のようだった。
…黄色いタコさんが一人(一匹?)で優雅にお茶してる。
気分は不思議の国に迷い込んだアリスのよう。
そんなことを考えていると「良かったら一緒にどうですか?」とお茶に誘われた。
それに頷くかどうか迷っていると「美味しいケーキもありますよ」と言われて思わず頷いてしまった。
それを見て黄色いタコさんは「私も甘い物には目がないんです」と幸せそうに笑った。
黄色いタコさんと紅茶を飲みながらお話をする。
簡単な自己紹介によって黄色いタコさんの正体がE組の担任の先生だと分かった。
…E組の先生って、人間じゃなかったんだ…。
だから本校舎から隔離されてるのかな…。
そんなことをぼんやり思っていると「貴女のお父さんはこの学校の理事長先生ですか?」と聞かれた。
そんなこと、聞かれたことがなかったので少しびっくりする。
何故か皆知っているのが当り前だったから…。
それに頷けば「そうですよね!」と何故か満足そうに同意を求めてきた。
(…不思議な先生)
今までに見たことのないタイプの先生、だと思う。
少し新鮮な気持ちになっていると、不思議な先生は真剣な表情で「生徒達からは"ころせんせー"と呼ばれています」と言った。
見た目だけでなく呼ばれ方も不思議な先生…。
そんなことを思っていると「実は先生、月を爆破した張本人なんです」と言われた。
…え?
―――そして話は冒頭に戻り。
「因みに3月には地球も爆破する予定です」とも言われたのだった。
…え!!
ころせんせーの言葉に思わずぽかんとしてしまう。
そんな私を置いて、ころせんせーは言葉を続ける。
爆破されるのを防ぐにはころせんせーを殺す他に方法がないこと。
E組の生徒達はころせんせーを暗殺しようと奮闘していること。
そして、ころせんせーという呼び名は殺せない先生から付いたこと。
殺せんせーとE組の生徒達は、先生と生徒であり標的と暗殺者でもあること。
E組はそんな奇妙な関係が織り成す暗殺教室だということ。
最後に、このことは国家機密だということを告げられた。
(…え……えっ!!それって…)
「あ、あの、私、聞いても良かったのでしょうか…?」
「他言無用でお願いしますね」
そう言って、殺せんせーはまるでチェシャ猫のようにニヤニヤと笑った。
…やっぱりこれは夢なのでしょうか?
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