た、只者じゃない…。
体育着に着替えて杉野と一緒に外へ出る。
すると、僕達の横を中村さんと片岡さんが通り過ぎて行った。
珍しい組み合わせだ…。
その上、何故か中村さんは片岡さんに背中をぐいぐいと押されながらやって来た。
思わず杉野と一緒に首を傾げる。
そこに茅野と不破さんも外へ出てきたので、何かあったのかと聞いてみたら何故か茅野に「ほっといて…!!」と叫ばれた。
その言葉に不破さんは苦笑すると「気にしないで」と僕達に一言残してから茅野の背中を押すようにその場を離れた。
な、なんだったんだろう…。
杉野と顔を見合わせて首を傾げていると、着替えを終えたクラスメイト達が続々と外へ出てきた。
授業開始のベルが鳴り響き、体育の時間が始まる。
今日の体育は射撃の訓練だった。
僕達は的に向かって銃を構える。
烏間先生は「少しだけ君達だけでやっててくれ」と一言残すと浅野さん…優良ちゃんの所へ向かった。
きっと銃の構え方や操作方法といった基礎的なことを説明するのだろう。
烏間先生とのマンツーマン指導に「いいなぁ〜」という倉橋さんの呟きが聞こえてきて、思わず苦笑いしてしまった。
「あ、構えた」
杉野の一言にクラス皆の視線が優良ちゃんへ向く。
杉野の言った通り、的に向かって銃を構える優良ちゃんが見えた。
皆が注目する中、パンッと聞きなれた発砲音がした。
「「「「「おお」」」」」
真ん中からやや右上辺りを打ち抜かれた的を見て、思わず声が出た。
初めてであの精度は凄いと思う。
…僕なんて、的に当たらなかったし。
そんな思考を遮るように、連続で発砲音が響いた。
「「「「「…!!」」」」」
それに驚く僕を含めたクラスメイトと烏間先生。
突然の連続発砲に驚いたのもそうだけど、何よりその銃弾達がほぼ真ん中を打ち抜いていることに開いた口がふさがらない。
その上、打ち抜いた本人は至って普通に「こんな感じでしょうか?」と聞いてくるものだから…。
た、只者じゃない…というか、理事長の娘だった。
分かっていたけど、クラス皆がそう再認識した瞬間だった。
あんなに見た目はふんわりしてて、あの理事長とは似ても似つかないのに、才能だけは確実に理事長だった。
理事長の片鱗を見た気がする…と誰かが呟いたのが聞こえる。
そんな彼女を見て、殺せんせーが「君たちにとって良い仲間になるでしょう」と言っていたことを思い出す。
確かに、優良ちゃんならば殺せんせーを暗殺するのに心強い仲間になってくれそうだ。
クラスの皆もそう思ったのか「凄いね、優良ちゃん!」と誰かが声をかけた。
それに優良ちゃんは一瞬目を丸くした後、とても嬉しそうに笑った。
才能溢れるふんわり女の子が、僕達E組の新しい仲間に加わった。
これからはこの27人で殺せんせーを殺すんだ。
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CrystalpalacE