可愛い子にはなんとやら。
お昼休み、旧校舎の教員室にて。
理事長がわざわざ出向いた理由は、彼の娘である浅野優良が突然E組に行きたいと言い出したことについてだった。
そして、そう言い出した原因がなんでもそこの超生物のせいとのこと。
そう話を整理すると元凶から異議ありと声が上がったが、とりあえず無視だ。
今現在この状況から見て、この超生物がここ(E組)から出ていくことよりもこの超生物がここ(E組)から追い出されることの方が可能性としてどう考えても高いからだ。
黄色い超生物の主張を無視して理事長の話に耳を傾ける。
考え直すように説得はしたが、どうしてもという娘のお願いに仕方なく許可を出したらしい。
「いいじゃないですか。昔から可愛い子には旅をさせよと言いますし」
「「黙れ」」
何を言っても聞き入れてもらえないことに対する不満か、なげやりなことを言うコイツに正直イラッとする。
理事長もそうだったようで、声が揃った。
(誰のせいでこうなってると思ってるんだ…!)
素知らぬ顔をする超生物を睨みつけていると、理事長が薄いファイルを差し出してきた。
それを受け取り、中身を確認する。
…どうやら浅野優良の個人情報のようだ。
最初に目に入ってきたのは顔写真。
ぱっと見、理事長とはあまり似ていない気がする。
幼さ故か綺麗というよりは可愛らしい顔立ちと…あとは写真から伝わる雰囲気の柔らかさのせいか。
視線をずらすと成績表に目が行く。
(…次席か)
理事長の娘にしては意外だと思ったら、彼女の家族欄に同い年の兄の名前を見つけた。
(…兄が首席なのか?そうだとしたら末恐ろしい家族だな…)
軽く書類に目を通していれば、理事長は笑顔を張り付けながら最後に一言付け加えた。
「もしも優良に何かあった場合、そこの怪物共々ここから追い出しますのでそのつもりで」
「…」
……この理事長は親バカかもしれない。
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CrystalpalacE