苦労が絶えない。

理事長が教員室を出て行った後、抑えていた溜め息が思わず漏れた。


「烏間先生も大変ですねぇ」

「お前のせいでな…!」


とんだ厄介事が増えたものだ。
ただでさえ超生物で手一杯だというのに、今度は理事長の愛娘か。


(何かあったら本当に追い出されかねない)


そんなことを考えながら書類と睨めっこしていると、ひっそりと成り行きを見守っていたイリーナが俺の持つ書類を覗き込んできた。


「…この子があの理事長サマの娘さん?あんまり似てないわね」


そう言ったイリーナに「見た目はな…」と返しながら浅野優良の書類一式を手渡した。


「?……!」

「成績を見ると流石理事長の娘と言ったところか」


確かに、これだけできる娘なら理事長としてもE組には置いておきたくないのだろう。
しかも自分の娘ときたらなおのこと。

…ただ、合理的過ぎて人間性に欠けると思っていただけに、娘のお願いに駄目だと言えないのは少しばかり意外だった。
案外あの理事長にも人間らしい一面があったようだ。


「とりあえず…理事長の娘に何を吹き込んだか知らんが、危害だけは加えるなよ」


そう言って今回の元凶を睨めば、いつも通りのイラッとする顔で笑っていた。


「また賑やかになりますねぇ」


コイツ、全く反省してないな…!!



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CrystalpalacE