「悪戯させて」と言って、私の部屋へやって来た秀くん。
どんなことをされるのかとびくびくしていたけれど、首筋にキスされるだけで済んだ。
その後は、美味しいケーキと紅茶で楽しい時間を一緒に過ごした。
過ごしたのだけれど…。


(……)


…せっかくのハロウィンなのに、まだ「Trick or treat」と言えてない。
誰かに言いたいな…。
秀くんからはすでにお菓子をもらってしまったので、お父様に言いに行こう。
そう思って、お父様がいるはずの書斎へと向かった。


「お父様…!Trick or treat!」


秀くんには言えなかった言葉をお父様に言えば、お父様はどこからともなくお菓子を取り出した。


「わぁ…!可愛い…!」


可愛らしいおばけやかぼちゃの形をしたキャンディの詰め合わせに、笑顔が零れる。
受け取ろうとしたら、ひょいっと袋が遠ざかってしまった。


「…?」

「これをあげるから、悪戯させて」

「…!!」


秀くんと同じことを言われて、びっくりしてしまう。
固まっていると、お父様に頭を撫でられた。
そして「せっかくのハロウィンなのだから」とキャンディの代わりに赤色の衣装を渡された。
広げてみると、フリルがあしらわれた可愛らしいミニドレス。
赤色のフードもついていて、まるであかずきんみたい。

可愛らしい衣装ににこにこしていると「着替えさせてあげよう」との言葉とともに、あかずきんの衣装が私の手から取り上げられた。


(あれ…?)


お父様の言葉に流されて、しばらく。
お父様に羽織っているカーディガンを脱がされた所で、言葉の意味を飲み込んだ。


「…!!ま、まって…!」

「遠慮しなくていいんだよ」


と、とても楽しそうな笑顔…!



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CrystalpalacE