赤ずきんの衣装を嬉しそうに眺めている優良に「着替えさせてあげよう」と言葉をかけながら、一枚一枚洋服を脱がせていった。
その途中、優良の首筋に赤い痕があることに気が付く。


(…これは)


学秀が付けたものだろうか。
痕を優しく撫でながら思案していると、ちょんちょんと袖が引っ張られるのを感じた。
視線を優良の方へと移せば、恥ずかしそうに衣装を催促している姿が映る。
着替えの途中だったことを思い出し、優良の頭を撫でてから着替えを再開した。

優良の仮装が完了すると、再び「Trick or treat!」と笑顔を向けられた。
可愛らしい姿にこちらも笑みが零れる。
先程見せたキャンディたちを優良に渡せば、嬉しそうな声でお礼の言葉が返ってきた。

喜んでもらえたようで、何よりだ。
幸せそうにキャンディを見つめている優良を抱きしめて、一緒にソファーへ腰をおろした。
膝の上で大人しくしている優良に、先程見かけた赤い印について問いかける。


「首筋のその痕はどうしたんだい?」

「…?」


何のことだか分かっていないようで、優良は首を傾げた。
…こういうものは同意の上でつけるべきものだろう。

くっきりと主張するそれは、優良の髪で隠れはするものの、首筋が晒されれば目立つ。
隠す方法を考えてあげないと、困るのは優良だろう。

全く隠す気がないと分かる赤い印に小さくため息が漏れる。
それを誤魔化すように、優良の手にある袋からキャンディを一つだけ取り出して、口へ含んだ。
口内に林檎の味が広がる。


「どんな味ですか?」

「優良の好きな味だよ」


そう微笑めば「私もりんごがいいです」と呟きながら、優良はキャンディを見つめた。
キャンディと睨めっこをしている姿が可愛らしくて「優良」と名前を呼べば、顔を上げて私の方を向いてくれた。


「…!!」


その隙に優良へと口付ける。
それに驚いて目を丸くする優良と至近距離で目が合った。
…微笑んだら、恥ずかしそうに目を閉じられてしまったが。
薄く開いた唇から舌を入れ、優良の舌を絡めとれば、くちゅりと艶やかな音が響いた。


「…んっ……ちゅ」

「……」


口内にあったキャンディを優良の口内へと移してから、唇を離した。
…やたらキスが上手くなっていることや色気が増したこと他、気になることが増えたが、優良に追及した所で意味を成さないだろう。
頬をほんのり赤く染めながらも「…おいしいです」と幸せそうに笑う優良を見て、純粋なまま余計なスキルが身に付いてしまっていることだけは確かだった。

…愛おしくも危なっかしい愛娘をどう躾けるべきか。



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