美味しくできました。
美味しすぎて作り直しという、全くもって謎なやり直しを命じるビッチ先生に文句を言う。
…確かに、暗殺クッキーにするのは勿体ないなとは思ってたけど。
そんなやり取りをしていると、再び調理室の引き戸が開いた。
「渚君、帰ろーよ」
そう言って入ってきたのはカルマ君だった。
カルマ君はテーブルに置かれたクッキーを見て「うまそー、食っていい?」と聞いてきたので頷いた。
「渚君って、お菓子作り上手かったんだね」
「…優良ちゃんに手伝ってもらったんだ」
「僕達だけじゃ上手くいかなくて」と続けるとカルマくんは、ふーんと頷いてもう一つクッキーを口に入れた
「ちょっ、あんま食うなよカルマ!」
「お返し用なんだからさ!」と言う前原君にあれ?と思う。
それは優良ちゃんも思ったみたいで「殺せんせーの暗殺はいいの?」と前原君に尋ねていた。
「やっぱ、勿体ないから市販のに毒仕込もうぜ」
そう言った前原君に思わず乾いた笑いが零れる。
確かに、その方が良いかもしれない。
「ちょっと!私の暗殺計画はどうなるのよ…!」
「市販のじゃ意味ないじゃない…!」と喚くビッチ先生に前原くんは「自分で作れよ」と投げやった。
「だから、私じゃ意味が…」
「…ひょっとして、ビッチ先生作れないの?」
「なっ…!!」
黙って僕達のやり取りを聞いていたカルマ君が助け舟を出してくれた。
カルマ君の挑発に「そんなわけないでしょ!!見てなさい…!!」と見事に乗ったビッチ先生は、自らクッキー作りを始めた。
(動きがプロだ…)
そんなビッチ先生をきらきらした目で見ているのは優良ちゃんだけで、前原君はラッピングを開始してるし、カルマ君はこっそり摘み食いしてるしで、全く見てない…というか、見る気すらない感じだ。
それに苦笑しながらも、僕も前原君と一緒にラッピングを開始した。
苦労して作って、それが美味しくできたのだから普通に食べてもらいたいよね。
「ちょっと!!アンタ達!!ちゃんと見てなさいよ…!!!」
そんなビッチ先生の言葉に苦笑いしつつも、近くで見ていた優良ちゃんを呼んだ。
不思議そうにこちらへやって来た優良ちゃんに「はい、これ」と言って、綺麗にラッピングしたクッキーを渡した。
「優良ちゃんも一緒に作ってくれたものなんだけどさ」
「バレンタインのお返しに」と続ければ、優良ちゃんはとても嬉しそうに笑ってお礼の言葉をくれた。
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CrystalpalacE