…!!!

駅のホームに到着し、扉が開く。
乗り降りする人達を注意深く観察していると、しばらくしてドアが閉まった。


「?あれ」


前原の声に視線を追えば、閉まったドア越しに渚達の姿を捉える。
予定の駅はまだ先であることを考えると、暗殺者と遭遇したのかもしれない。


「ぁ…」


さっきまで楽しそうに笑っていた優良ちゃんの表情が少しだけ寂しげなものに変わる。
視線の先には、先に降りてしまった王女様と浅野兄と…繋がれた手。
…おそらく降りる際に手を引いたんだと思うけど、浅野兄にしては少し珍しい光景な気がした。

元気のなくなってしまった優良ちゃんになんて声をかけようか悩んでいると、前原がいつもの調子で「優良ちゃん」と笑顔で名前を呼んだ。
その笑顔につられてか、優良ちゃんも笑みを返す。
少しだけ無理をしているのを感じたのか、前原が優良ちゃんの好きそうな話題を持ち出した。
…女子の扱いが上手いというか、こういう時の対応もお手の物な前原に心の中で感謝していると、オレのスマホに連絡が入る。

やっぱり暗殺者と遭遇したみたいで、それを巻いて途中下車したようだ。
優良ちゃん達にも事情を伝え、次の駅でUターンすることになった。

一緒に降り損ねた吉田と村松とも合流し反対側のホームへ向かおうとしていると、聞き覚えのある声に呼び止められた。


「「「「…!!!」」」」

「お父様…?」


目を丸くする優良ちゃんと思わず顔を引きつらせる前原達。
笑みを浮かべた理事長は、優良ちゃんの名前を呼んだ。



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